■災害時要援護者支援とは?
「災害時要援護者」とは、「必要な情報を迅速かつ的確に把握し、災害から自らを守るために安全な場所に避難するなどの災害時の一連の行動をとるのに支援を要する人々」をいい、一般的に高齢者、障害者、外国人、乳幼児、妊婦等があげられている。(災害時要援護者の避難対策に関する検討会『災害時要援護者の避難支援ガイドライン』、2006年)。
そこで、「災害時要援護者支援対策」とは、災害後、こうした人々の安否を確認し、状況によっては、安全な場所に避難誘導したり、一時的な避難生活や恒久的な生活再建等の支援をすることをいいます。
では、実際の災害現場ではどのような問題が発生し、また、参考事例では、どのような社会的対応ができたのでしょうか?
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消防団員等による救出活動
(阪神・淡路大震災、旧北淡町)
(出典)北淡町対策支援室
『阪神・淡路大震災の記録』
災害時要援護者支援台帳
(中越地区、北条地区) |
■災害事例
(1) <阪神・淡路大震災(1995年)>
阪神・淡路大震災において、富島地区は倒壊建物に対する死者の割合は、神戸市内の約半分程度におさまりました。その要因として、災害直後からの消防団を中心とする迅速な安否確認(当日約11時間後には行方不明者ゼロを確認)、323人にも上る生き埋め者の搬出、診療所への搬送の実施が考えられています。
こうした迅速な行動の背景には、消防団の古い伝統としっかりした組織体制があったこと(体制)、震災2年前の豪雨の際、福祉情報(名簿)をもとに消防団が一人暮らし老人の避難誘導を行ったこと(訓練)が、災害後には、団員一人一人の自発的な安否確認、救出・救護、診療所への搬送等が迅速に行われたのです。
(2) <中越沖地震(2007年)>
中越沖地震後の北条地区(人口3,800人、1,100世帯、21町内会)では、地震後約2,3時間の間に、全住民の安否確認を終え、災対本部に安否情報の発信を終えている。
中越地震時には、自主防災組織すらなかったこの地区で、その3年後、このような対応ができた要因として、@自主防災組織の設置、A災害時要援護者台帳(情報カード、電話帳、防災福祉マップ)の作成、B手作りの大規模防災訓練(850名余参加)の実施があり、災害後には、これらの備えが奏功したといえます。
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■弊社からのご提案
災害時要援護者支援対策で大事な点は、1)支援体制づくり、2)名簿づくり、3)支援訓練の3点です。
1)支援体制づくりとしては、既存の地域社会の現状に即した最適な自主防災組織づくりを提案し、役割分担から具体的な行動手順の作成までの系統立った方法を、2)名簿づくりについては、自治会としての名簿作成方法はもとより、自治体での名簿作成方法についても、手上げ方式、同意方式、機関共有方式など、自治体の実状に即した最適な方法を、3)支援訓練については、実戦さながらの具体的な状況を想定し、被害想定や地図などを用いた図上訓練から実践的な演習方法をご提案いたします。
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■弊社の主な実績
・『地域防災リーダー育成事業委託』(東京都品川区、2006年〜)
・『災害弱者あんしんネットワーク事業に係る支援業務委託』(横浜市瀬谷区、2005年〜)
・『災害弱者に対する防災対策推進調査』(東京都板橋区、1995年)、他 |