緊急対策

■パニック対策
   〜迅速な情報伝達・避難誘導を関係者参加で計画・実践する〜

■パニックとは?
 パニックとは、災害心理学者によって、「生命や財産に対する切迫した危険を感じた不特定多数の人々が、危険を回避するために、限られた脱出路もしくは希少な資源に向かって殺到することから起こる社会的混乱」と定義されています(安倍北夫他編『自然災害の行動科学』福村出版、1988年)。
 では、実際にパニックとはどのような現象なのでしょうか?
 
 ■災害事例
<大阪千日前デパート火災(1972年)>
 1972年5月13日に起きた「大阪千日前デパート火災」では、避難時にその場にいた人たちの間でパニックが起こったことにより、死者118名を出す大惨事となりました。
 右図に示されるように、サロンにいた客も店員も煙から逃れようと一斉にエレベーターに殺到し、煙に押し戻されて逆流し、右往左往した。ある者は押し倒され、踏みつけられ、その内、一酸化炭素中毒で、またある者は窓から飛び降りて命を落としています。
 パニックが引き起こされた要因を整理すると概ね以下の3点が浮かび上がります。
@「ビル管理上の問題」・・・情報伝達の遅れ、非常口・出口の施錠、非常階段前のカーテンの存在。
A「初期誘導の遅れ」・・・異常覚知の遅れ、リーダーやルールの不在、避難阻止。
B「防災意識・訓練の欠如」・・・平時からの準備不足によって冷静な対処が不可能であったこと。
 



  
 ■弊社からのご提案
 
こうしたパニックに対して、平素から、ハード、ソフトの両面による備えが重要です。ハード面では、脱出路や、通報・消防・避難等の消防設備、一時避難空間の整備、ソフト面では、情報伝達・避難誘導方法を中心とするマニュアルの作成、避難誘導訓練の実施等が考えられます。
 弊社では、このような対策について、関係者に災害意識と協働作業の重要性を体験していただくため、関係者の参加によるワークショップ方式を採用し、空間面での課題抽出、マニュアル作成、訓練実施等をご提案いたします。
 ■弊社の主な実績
・『雷害時緊急対応マニュアル作成調査報告書』(東京サマーランド、2008年)
・『2002FIFAワールドカップTMに係わる危機管理対応マニュアル作成委託』(2002年FIFAワールドカップ横浜開催推進委員会、2002年)
・『川崎市石油コンビナート等特別防災区域に関する避難対策調査』(川崎市、1996年)、他

■災害時要援護者支援対策
   〜地域社会に体制・名簿づくり、実践的訓練の浸透を〜

 ■災害時要援護者支援とは?
 「災害時要援護者」とは、「必要な情報を迅速かつ的確に把握し、災害から自らを守るために安全な場所に避難するなどの災害時の一連の行動をとるのに支援を要する人々」をいい、一般的に高齢者、障害者、外国人、乳幼児、妊婦等があげられている。(災害時要援護者の避難対策に関する検討会『災害時要援護者の避難支援ガイドライン』、2006年)。
 そこで、「災害時要援護者支援対策」とは、災害後、こうした人々の安否を確認し、状況によっては、安全な場所に避難誘導したり、一時的な避難生活や恒久的な生活再建等の支援をすることをいいます。
 では、実際の災害現場ではどのような問題が発生し、また、参考事例では、どのような社会的対応ができたのでしょうか? 

消防団員等による救出活動
(阪神・淡路大震災、旧北淡町)
(出典)北淡町対策支援室
『阪神・淡路大震災の記録』



災害時要援護者支援台帳
(中越地区、北条地区) 
 
■災害事例

(1) <阪神・淡路大震災(1995年)>
 阪神・淡路大震災において、富島地区は倒壊建物に対する死者の割合は、神戸市内の約半分程度におさまりました。その要因として、災害直後からの消防団を中心とする迅速な安否確認(当日約11時間後には行方不明者ゼロを確認)、323人にも上る生き埋め者の搬出、診療所への搬送の実施が考えられています。
 こうした迅速な行動の背景には、消防団の古い伝統としっかりした組織体制があったこと(体制)、震災2年前の豪雨の際、福祉情報(名簿)をもとに消防団が一人暮らし老人の避難誘導を行ったこと(訓練)が、災害後には、団員一人一人の自発的な安否確認、救出・救護、診療所への搬送等が迅速に行われたのです。

(2) <中越沖地震(2007年)>
 中越沖地震後の北条地区(人口3,800人、1,100世帯、21町内会)では、地震後約2,3時間の間に、全住民の安否確認を終え、災対本部に安否情報の発信を終えている。
 中越地震時には、自主防災組織すらなかったこの地区で、その3年後、このような対応ができた要因として、@自主防災組織の設置、A災害時要援護者台帳(情報カード、電話帳、防災福祉マップ)の作成、B手作りの大規模防災訓練(850名余参加)の実施があり、災害後には、これらの備えが奏功したといえます。

 ■弊社からのご提案
 災害時要援護者支援対策で大事な点は、1)支援体制づくり、2)名簿づくり、3)支援訓練の3点です。
1)支援体制づくりとしては、既存の地域社会の現状に即した最適な自主防災組織づくりを提案し、役割分担から具体的な行動手順の作成までの系統立った方法を、2)名簿づくりについては、自治会としての名簿作成方法はもとより、自治体での名簿作成方法についても、手上げ方式、同意方式、機関共有方式など、自治体の実状に即した最適な方法を、3)支援訓練については、実戦さながらの具体的な状況を想定し、被害想定や地図などを用いた図上訓練から実践的な演習方法をご提案いたします。

 ■弊社の主な実績
・『地域防災リーダー育成事業委託』(東京都品川区、2006年〜)

・『災害弱者あんしんネットワーク事業に係る支援業務委託』(横浜市瀬谷区、2005年〜)

・『災害弱者に対する防災対策推進調査』(東京都板橋区、1995年)、他 

■災害医療対策
   こちらの項目は工事中です。詳しくは弊社までお問い合わせください。

■危機管理演習
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■避難対策
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